SFAのオンプレミス型とは?クラウド型との違い・費用・セキュリティ比較
オンプレミス型SFAとクラウド型を、費用、導入期間、セキュリティ、保守、AI連携で比較。共有SaaS・専用環境も含め、構成と責任分界から選ぶ方法を解説します。

この記事でわかること
対象:社内規程やセキュリティ要件をもとに、オンプレミス型、クラウド型、専用環境を比較している営業企画、情報システム、セキュリティの担当者
- オンプレミス型は自社で制御できる範囲が広い一方、構築・更新・監視・障害対応も自社側の負担になる
- クラウド型は一種類ではなく、共有SaaS・専用環境・顧客管理型クラウドなど構成と責任分界が異なる
- 保存場所だけでなく、認証・権限・ログ・バックアップ・AIへのデータ送信・終了時のデータ返却まで確認する
UPDATE 2026.07.13
オンプレミス・共有SaaS・専用環境を責任分界で比較し、構成図、選定フロー、RFP質問、IPA等の一次資料を追加しました。
目次
オンプレミス型SFAとは、自社施設または自社が管理するデータセンター等へサーバー・ソフトウェアを構築し、自社または委託先が運用する営業支援システムです。構成を広く制御できる一方、更新、監視、バックアップ、障害対応、更改も自社側の責任になります。
クラウド型SFAは、サービス提供者が管理する環境を利用する方式が一般的です。ただし、共有SaaS、専用環境、顧客管理のクラウドアカウントへ構築する方式などがあり、単純な二択ではありません。選定では保存場所より、必要な制御と責任分界を比較します。
オンプレミス型とクラウド型の違い
| 比較項目 | オンプレミス型 | クラウド型 |
|---|---|---|
| 設置・基盤 | 自社・委託先が調達運用 | 提供者がサービス基盤を運用 |
| 初期費用 | 機器・設計・構築で大きくなりやすい | 契約後に設定を始められる製品が多い |
| 導入期間 | 調達・構築・試験が必要 | 機器調達を省きやすい |
| 変更 | 基盤を含め自社で管理しやすい | 標準設定・API・提供方針の範囲 |
| 更新・監視 | 自社・委託先が実施 | 提供者がサービス側を実施 |
| セキュリティ | 自社の責任範囲が広い | 提供者と利用者で分担 |
| 拡張 | 増設・設計・試験が必要 | 契約・容量変更で対応しやすい |
| 社外利用 | VPN・端末・認証を構築 | 認証・端末・アクセス制御を設定 |
| 費用 | 初期投資・保守・更改・人件費 | 利用料・従量・オプション・管理工数 |
オンプレミスが常に安全で、クラウドが常に安いわけではありません。オンプレミスでも更新・監視が不十分ならリスクが残り、クラウドでも権限・端末・委託先・設定の管理が必要です。
SFAの5つの構成を比較する
| 構成 | 概要 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 共有SaaS | 複数顧客が共通サービスを利用 | テナント分離・権限・障害範囲 |
| 専用環境型SaaS | 契約企業向けに環境の一部を分離 | 専用範囲・更新・監視・費用 |
| 顧客管理型クラウド | 顧客のクラウド契約へ構築 | 運用アクセス・責任・費用・終了 |
| プライベートクラウド | 限定組織向けの基盤を利用 | 基盤運用者・接続・拡張・監査 |
| オンプレミス | 自社施設等へ構築 | 機器・保守・更改・災害対策・社外利用 |
「シングルテナント」「専用クラウド」といった名称だけでは分離範囲は分かりません。アプリ、データベース、ネットワーク、暗号鍵、運用アカウント、バックアップを分け、構成図と契約で確認します。
オンプレミス型が候補になる4つの要件
1. 設置場所・接続経路を具体的に制御する
法令、顧客契約、社内規程で設置場所や接続経路が具体的に定められる場合は候補になります。ただし、バックアップ、監視、保守、AI処理で外部サービスを使えば、データは社内だけで完結しません。
2. 既存基幹と個別仕様で密に連携する
顧客マスタ、販売、見積、会計、ID基盤と独自仕様で接続する場合、既存ネットワークへ合わせやすいことがあります。連携仕様変更時の開発、試験、監視を誰が担うかも確認します。
3. 標準製品では表現できない要件がある
独自のデータ構造、承認、画面、権限が事業上必須なら個別構築を検討できます。ただし、現在の複雑な業務をそのまま再現すると、変更・教育・保守の負担も引き継ぎます。
4. 更新・停止時期を自社で管理する
長い検証や厳格な変更管理が必要なら、更新時期を制御できる点は利点です。一方、更新を止め続けると脆弱性、OS・ブラウザ、連携仕様の問題が残るため、更改計画が必要です。
オンプレミス型の負担
- 要件定義・調達・構築・試験に時間がかかる
- OS・ミドルウェア・DB・証明書の更新が続く
- 監視・バックアップ・復旧試験・容量管理が必要
- VPN・端末・多要素認証など社外利用を設計する
- AI・メール・会議等の外部API接続が複雑になる
- 担当者の交代・技術継承・保守切れへ備える
- 機器更改・廃棄まで中長期の予算が必要
セキュリティは責任分界で比較する
| 領域 | オンプレミスで主に担う側 | クラウドで主に担う側 |
|---|---|---|
| 施設・機器 | 利用企業・委託先 | サービス提供者 |
| OS・ミドルウェア | 利用企業・委託先 | サービス提供者 |
| SFAアプリ更新 | 利用企業・開発委託先 | サービス提供者 |
| 利用者アカウント | 利用企業 | 利用企業 |
| 組織・案件権限 | 利用企業 | 利用企業 |
| 端末・社内ネットワーク | 利用企業 | 利用企業 |
| データ利用・入力・出力 | 利用企業 | 利用企業 |
| 外部委託・サービス監督 | 契約構成に応じて分担 | 契約構成に応じて分担 |
共有責任の境界は製品・契約・構成で変わります。表を前提にせず、認証、権限、ログ、暗号化、バックアップ、脆弱性、インシデント、データ返却を個別に確認します。
参考:IT製品の調達におけるセキュリティ要件リスト活用ガイドブック(IPA)
認証・権限・ログ・AI・契約終了の40項目を確認する
SFAセキュリティチェックリストを読む →AI搭載SFAで追加確認するデータフロー
SFA本体をオンプレミスへ置いても、商談音声・メール・テキストを外部AIへ送る構成があります。入力から削除までの流れを構成図で確認します。
| 確認項目 | 質問 |
|---|---|
| 入力 | 音声・全文・要約・顧客IDの何を送るか |
| 処理 | どの会社・国・リージョンで処理するか |
| 利用目的 | 要求処理以外や汎用モデル学習に使うか |
| 保存 | 処理後・ログ・バックアップへ何日残るか |
| 権限 | 誰が元データと生成結果を閲覧できるか |
| 確認 | 誤りを誰が修正し履歴を残すか |
| 削除 | 個別削除・契約終了をどう処理するか |
| 停止 | 外部AI停止時にどの業務が使えるか |
費用は5年間の総コストで比較する
| 費用 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 初期 | 機器・ライセンス・設計・構築・試験 | 初期設定・要件整理・移行 |
| 継続 | 保守・監視・設備・人件費 | 利用料・従量・オプション・管理工数 |
| 変更 | 開発・試験・再配布 | 設定・追加開発・プラン変更 |
| 拡張 | 機器・容量・ライセンス増設 | 利用者・容量・API・AI従量 |
| 障害 | 調査・復旧・部品・委託先 | 自社切り分け・代替業務・SLA範囲 |
| 終了 | データ抽出・機器廃棄・証明 | 一括出力・移行支援・契約終了 |
| 更改 | 機器・OS・DB・アプリの再構築 | 価格改定・製品変更・再移行 |
営業担当者と管理者の作業時間も含めます。利用料が低くても、商談後の転記、権限変更、会議集計、障害確認に時間がかかれば組織全体の負担は増えます。
構成を選ぶ判断フロー
- 1. 法令・顧客契約・規程で必須となる設置・接続条件を確認する
- 2. 扱うデータ、外部送信、保持・削除を図にする
- 3. 必須の独自要件と標準化できる業務を分ける
- 4. 自社が更新・監視・復旧できる体制と費用を確認する
- 5. 共有SaaS・専用環境・顧客管理型・オンプレミスを同じ要件で比較する
- 6. 構成図・実機・証跡・契約条項で責任分界を確認する
- 7. 5年間の総コストと終了・移行条件で決める
RFPで聞くべき10問
- データ・バックアップ・ログの保存場所はどこか
- アプリ・DB・ネットワーク・鍵のどこまでが専用か
- 利用企業と提供者が担う更新・監視・復旧は何か
- 提供者の管理者アクセスをどう承認・記録するか
- SSO・MFA・組織変更・権限棚卸しへどう対応するか
- 監査ログに何が残り何日検索・出力できるか
- AI・文字起こし等の外部送信・委託先は何か
- 可用性・復旧・計画停止・通知の条件は何か
- 5年間に発生する初期・利用・保守・更改費はいくらか
- 契約終了時に何をどの形式で出力し、いつ削除するか
同じ条件で構成・費用・証跡を依頼する
SFAのRFPテンプレートを読む →オンプレミス型SFAに関するよくある質問
オンプレミスならクラウドより安全ですか?
設置場所だけでは判断できません。自社で制御できる範囲が広い一方、更新・監視・バックアップ・復旧も自社責任です。同じ要件で構成と運用能力を比較します。
専用環境なら他社の影響を受けませんか?
専用の範囲によります。アプリ、DB、ネットワーク、暗号鍵、運用アカウント、バックアップの分離と、共通基盤の障害・更新が与える影響を確認します。
オンプレミスでもAIを使えますか?
製品・構成によります。自社環境内で処理する方式と外部AIへ送る方式があるため、送信データ、処理場所、学習利用、保存、障害時の挙動を確認します。
オンプレミスからクラウドへ移る注意点は?
データ棚卸し、権限、連携、切替中の更新、照合、旧環境の参照・削除を計画します。現在の画面・項目を再現する前に、実際に使われている業務を確認してください。
まとめ:オンプレミスかではなく必要な制御を選ぶ
オンプレミス、共有SaaS、専用環境には、それぞれ制御範囲と運用負担があります。保存場所だけで決めず、業務・データ・構成・責任分界・運用体制・5年間の費用・出口を同じ要件で比較してください。
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執筆:小花 達也
新卒でソフトバンク株式会社に入社し、デジタルマーケティングを担当。その後、ベンチャー企業数社でBtoBマーケティング、データ基盤構築、営業などを担当した後、ELW株式会社に入社。DRIVE SFAでは導入支援とマーケティングを担当。
本記事は、DRIVE SFAの導入支援・営業運用に関する知見をもとに編集しています。
